2010年12月16日 (木)

『ジャライノール』公開記念 リバイバル上映のお知らせ

中国インディペンデント映画祭2009でオープニングを飾った『ジャライノール』が、2011年1月15日より劇場公開されます。
それに合わせ、過去2回に中国インディペンデント映画祭で上映した作品の中から7本をリバイバル上映いたします。

作品は以下の通り
 『馬烏甲(マー・ウージャ)』 2008年上映作品
 『高三』 2008年上映作品
 『牛乳先生』 2009年上映作品
 『小蛾(シャオオー)の行方』 2009年上映作品
 『俺たち中国人』 2009年上映作品
 『収穫』 2009年上映作品
 『オルグヤ、オルグヤ…』 2009年上映作品

スケジュールは以下のサイトでご確認ください。
ポレポレ東中野ホームページ
映画『ジャライノール』公式サイト

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2010年1月16日 (土)

徐童監督の返事

アンケートやメール、ブログに寄せられたメッセージを監督に届けたところ、『収穫』の徐童監督から返事が届きました。

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たくさんのメッセージをありがとうございます。
繰り返し何度も読ませていただきました。
行間からホンミャオへの情感がありありと伝わり、作品への深い理解と、私への励ましにとても感動しました。
『収穫』がこれまでに参加したすべての映画祭の中で、一番多くの励ましをもらえたのは日本の皆さんからで、その人柄の良さと誠実さに満ちた言葉に信服させられました。

メッセージが多く、ひとつずつ返事ができないのですが、ホンミャオのその後が気になるという方がいたのでお伝えします。
彼女は今も変わらない生活を送っています。
父親の病状もいまだ回復していません。
親友と恋人の間のことは一夜の出来事にすぎず、すでに別れています。
その親友とも、違う原因で対立してしまい、離れてしまいました。
始まるとも終わるともない、悲喜と離合が前触れもなくおとずれる日々をすごしています。

徐童

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2009年12月30日 (水)

閉幕のあいさつとアンケートへの返答

おかげさまで、盛況のうち無事に閉幕することができました。
年末のお忙しい中、足を運んでくださった観客の皆さまに心より御礼申し上げます。

たくさんの方から来年も開催してほしいと言われました。
作品を集めるのに時間がかかるため、来年末までに開催できるかはわかりませんが、次回も開催できるよう努力いたします。

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ゲストが東京での報告をネットに掲載してくれています。
尚于博のブログ 
http://blog.sina.com.cn/s/blog_4ec232190100g1y1.html
CIFVFへ寄せた応亮のレポート
http://www.cifvf.org/news_show.php?id=38

 

アンケートで質問が寄せられたので、ここでお答えします。

・「英語と中国語の字幕があって見づらい。日本語だけでいいのでは?」「中国語字幕があったほうが助かるのだが?」
多くの作品はもともと中国語や英語の字幕が入れてあり、こちらで消すことができません。
字幕が邪魔になりそうな作品の場合、字幕なしのものを用意してもらえるならそのようにしていますが、必ずしも字幕なしのものを監督が保存しておらず、先方次第となっています。

・「ドキュメンタリー映画は監督がひとりで撮っているのですか?」
今回上映した3本は、いずれも監督がひとりで撮影しています。
中国でも、別にカメラマンがいるドキュメンタリー作品はありますが、予算などの都合でひとりで作るものが多いです。

・「『収穫』で顔が出ているが、プライバシーの問題はないのか?」
『収穫』はいくつかのインディペンデント映画祭で上映された以外、中国国内での上映はしていませんし、今後の上映やDVD化、ネット配信の予定はありません。
これは、映っている人々のプライバシーを守るためです。
海外の映画祭で上映することについては、監督が登場人物から同意を得ています。

・「パンフレットを作成してほしい」
昨年は作品ごとの資料を作って配布していましたが、今年はチラシに監督のプロフィール等を入れたので割愛しました。
販売できるほどのものが作れれば良いのですが、予算の都合もあって難しいです。
今後の課題とします。

なお、アンケートにご記入いただいた作品ごとの感想については、翻訳して監督たちに伝えます。

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2009年12月28日 (月)

主席日記 12/27

本日の『牛乳先生』では、楊瑾監督とのネットQ&Aを行った。
邦題が良かったのか、この作品が気になった人は多かったようで、反応もいい。
たくさん観たうえで、これが一番好きだと言う人も少なくない。
そんな
『牛乳先生』は、監督が大学1年の時に課題で撮った初の長編映画である。
画面や音にノイズが出たり、指やマイクが映りこんでいたりしているのを見ると至らなさを感じるが、作品そのものは驚くほど完成度が高く、只者ではない気配を感じさせる。

瑾監督はまだ27歳。
とても表情豊かで、ユーモアーのある人だということが、スクリーンに映る彼を見ている人たちにも伝わったと思う。
弟さんの家からのネット中継で、その弟さんも登場したり、途中で携帯の着信が鳴りだしたり、
途中でいきなり画面が暗くなるなど、臨場感たっぷりの中継であった。

先日NHK-BSのニュースでもインタビューに応じており、その時も検閲について話していたのだが、彼自身は検閲を受けない表現を重視している。
その一方で、大きな制作費を要する次回作ではプロデューサーから検閲を通すよう要求されてもいるらしい。
インディペンデント監督の悩みどころである。

『牛乳先生』はわずか1万元(約13万円)で作った映画で、一番金がかかったのは牛を借りてくることだったとのこと。
監督の故郷で撮影したのだが、その村では牛乳を飲む習慣がなく、乳牛もいなかったので、遠くの町から借りてきたらしい。
撮影期間中に牛乳をたくさん絞ったのに、村人たちは誰も牛乳を飲みたがらなかったそうだ。
でも、高校の同級生だった主演俳優をはじめ、仲間たちとの撮影はとても楽しかったとのこと。
実はこの作品、課題としては脚本だけを書けばよかったのに、時間があったから勝手に撮影までしてしまって出来たのだとか。
それでこの完成度とは、なんとも将来が気になる監督である。

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主席日記 12/26

本日はドキュメンタリー3本を上映。
上映終了後には山形国際ドキュメンタリー映画祭の藤岡さんによるトークもあって、まさにドキュメンタリー漬けの一日となった。
先週の土日に比べて、観客がだいぶ増えて年齢層も下がったのは、ドキュメンタリー好きな人たちがこの日を待っていたからだろう。

藤岡さんは、中国でドキュメンタリー映画が生まれ、それが山形で紹介されるようになったころからずっと見続けてこられた方である。
現地の映画祭を訪れることもしばしばで、中国ドキュメンタリー映画を網羅されているし、監督たちとの交流も深く、信頼も厚い。
更に、今年は『長江にいきる』というドキュメンタリー映画の配給まで手がけられた。
日本で中国ドキュメンタリーを語るに最もふさわしい人物と言えるだろう。

うちで上映している作品はどれも山形と直接は関係ないのだが、昨年に引き続き、今年もトークを引き受けてくださった。
昨年は『長江にいきる』の馮艶監督とふたりでのトークで、今年は私が聞き手を務めることになった。
私はこういうトークには慣れてないし、時間も短かったので、やや中途半端にはなってしまったかもしれないが、それでも中国ドキュメンタリーの流れや、監督たちがどういう状況で撮影しているのかといった話を、表面的ではなく、事情をよく知る人ならではの言葉で伺うことができた。
聞いていた人たちはかなり興味を持たれたようで、終了後に質問に来る人も多かった。

中国インディペンデント映画の主流は、劇映画ではなくドキュメンタリーである。
本来ならば本映画祭でもドキュメンタリーを中心にしていいのだが山形をはじめ他でも紹介する機会があるので、劇映画を多めにプログラムしている。
それでも、やはりドキュメンタリーの方が反響がいいし、実際に質の高いものが多い。
まだまだ紹介されていない良作があるので、もっと多くのドキュメンタリーが日本で紹介されることを望んでいる。

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2009年12月25日 (金)

『収穫』徐童監督からのメッセージ

日本の観客の皆さま、こんにちは。
『収穫』を観に来て下さり、誠にありがとうございます。
これは観る人を楽しくさせる映画というわけではありません。
映画に出てくるホンミャオは、もしかすると皆さんとそう変わらない年齢かもしれませんが、皆さんとはまったく違う世界に生きています。
そこでは、生きることの苦しみから脱却できず、生活の厳しさは絶望的と言っていいほどです。
しかし、ホンミャオはそれでも勇敢にそれら一切を受け入れています。
売春で得た金を自分の家に持ち帰る彼女を、私は敬服せずにはおれません。
二十歳の女の子がこうもたくましく生きている。その姿に私が涙したことは一度や二度ではありません。
これこそが中国の底辺で生きる人の真の姿なのです。
私がこの作品を通じて皆さんにホンミャオを紹介したいのは、彼女の生活に感動したからというだけではなく、彼女がこの冷たい現実に勇敢に立ち向かっていることに感動し、その生活の中から希望を見出したからです。
私はいま中国の東北部で新作の撮影をしており、辺鄙な山のなかにいるため、ネット環境も十分ではなく、日本に行くことも、ネット中継に応じることもできません。
とても残念に思っています。
ただ、この映画を観ていただければ、心は通じ合えると信じています。
なぜなら、私たちはみな人の運命に関心を持ち、人間性の本質を考え、真の生活を探求する人間だからです。
最後に、私たちに交流の場を設けてくれたこの映画祭に感謝いたします。

徐童監督は観客の方々の感想を聞きたいと言ってますので、ぜひこのブログのコメント欄に感想をお寄せ下さい。お願いします。

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2009年12月24日 (木)

主席日記 12/23

祭日の今日に合わせ、15:20の回と20:00の回で一条さゆりさんによるトークショーを行った。
一条さんはかつてピンク映画やストリップで活躍し、香港映画に出演した経験もあるのだが、90年代の終わりごろからは広州で生活するようになり、そこでの体験をもとに多くのエッセイを執筆、出版されている。
なかでも物乞いや娼婦といった社会の下層に属する人々に注目してこられた方なので、『小蛾の行方』と『収穫』のテーマにぴったりだと思い、お願いした。
どちらか一方でも構わないと思っていたのだが、一条さんは両方の回とも快く引き受けてくださった。
低予算の映画祭にはろくなお礼ができないにも関わらず、である。

15:20の『小蛾の行方』では、開場前からたくさんのお客さんが並んでいた。
日曜日の同じ時刻にやったときは、監督のネットQ&Aがあったのにさほど入ってなかったが、今回はその倍ほどの人が入っている。
多くが一条さんのお話を目当てに来たに違いない。

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上映の合間なので20分ほどしかトークの時間がない。
一条さんはキッチンタイマーで時間を計りつつ、ステージに腰掛けて語りはじめた。
かつて見た物乞いの人々の様子、彼らが実はそこそこ儲かっていること、ただ背景には黒社会が元締めをやってることなど、現地で実際に見聞きした情報はリアルで刺激的だ。
話し手によっては暗くなりがちなテーマも、明るく軽快な口調のおかげで重い空気が漂わない。
時に観客に挙手を求めるなど、とても話し慣れているようで、聞いていてあっという間の20分であった。


17:40の回は、映画祭期間中で2度しか上映のない『ジャライノール』。
この作品はSL好きの間で話題になっているようで、誘い合ってきたと思われる男性客グループが多い。
初日の上映にもSLファンが多かったので今日も来るだろうとは思っていたが、その数は予想以上で、なんと立ち見がでるほど。
こんなにも多くのジャライノール好きが日本にいたとは想像していなかった。
監督が知ったら、さぞ喜ぶことだろう。


20:00からの『収穫』は、時間が遅いにも関わらず、やはり多くのお客さんが一条さんのトークを待っていた。
作品の内容にちなんで、中国の娼婦事情について詳しくお話をしていただいた。

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床屋、サウナ、カラオケというように売春にも各種あるが、その料金の相場などかなり具体的な情報をご存じだ。
映画の中では性病検査の場面があるが、通常あんなことはないそうで、中国の性教育が遅れており、いかに娼婦たちが無知で、高いリスクを背負っているかを解説してくださった。
実際に娼婦たちに会って話を聞いている方だけに、非常に説得力がある。
ユーモアを交えた親しみやすい語り口は、聞く人の興味を引くだけでなく、これらの問題がとても身近であること感じさせてくれる。
まさにこの映画祭の主旨にふさわしい、素敵なトークショーだった。

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2009年12月21日 (月)

主席日記 12/20

本日は『小蛾の行方』の上映後、彭韜監督とネット中継によるQ&Aを行った。
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日本に大勢のゲストを呼べれば一番いいのだが、それぞれ都合もあるし、予算の問題もあってそうはいかない。
そんな中、このネットQ&Aは監督の顔も見られて質問もできるうえ、自宅での普段の様子が伺えたりする面白さもあって、とても有効な方法だ。

中国を旅した人は分かるだろうが、都市部には物乞いをしている人がとても多い。
しかし彼らを主人公にした映画はこれまで一本も撮られてこなかった。
彼らの実態を調べた監督は、社会の底辺で生きる人々の暮らしを伝えたいという思いでこの作品を撮ることにしたという。
インディペンデントでなければ撮れない映画である。

この作品はとてもリアルで、まるでドキュメンタリーじゃないかという印象を与える。
それは役者たちの演技がとても上手いということであり、キャスティングがいいということでもある。
主人公を演じた少女がとても印象的なのだが、どうやって彼女を見つけたのかという質問に対し監督は、彼女はロケハンである村に行ったとき入口で他の子供たちと遊んでいるのを見て、この子にしようと決めたと言う。
他の子供たちとは違った目をしていて、まさに主人公のイメージにぴったりだったらしい。
そして後で知ったことに、実はその子も主人公同様、捨てられて養父母に拾われた過去があったという。
ただ、映画とは違って、今は幸せに暮らしているとのこと。

こういうエピソードを監督から聞けるというのは、映画祭の楽しみのひとつだろう。
監督にとっても、観客の反応を知ることができるのは貴重な体験である。

ネットQ&Aは27日の『牛乳先生』上映後にも行われるので、ぜひ監督との交流を楽しんでいただきたい。

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2009年12月19日 (土)

主席日記 12/18

朝7時台に電話が鳴った。
何ごとかと思ったら、今日帰国予定の顧桃監督からだった。
「今成田空港にいる。今回はいろいろありがとう」という内容。
でも、フライトは確か午後2時だったはずでは?
実は、昨晩泊めてくれた友人が今日は仕事なので、その前に空港まで送り届けてくれたとのこと。
これから6時間以上も空港で独り時間つぶしとは大変だ。
でも、とりあえず無事に帰国できそうで安心。

17時40分からの「新鋭監督短編集」上映後は、日本大学の三澤真美恵先生によるトークショーが行われた。
三澤先生は華語圏の映画の専門家で、映画評の確かさでも一目置かれている方である。
聞き手は、この作品の字幕翻訳を担当した慶應大学のグループのメンバーでもある、慶應義塾高校の吉川先生。
お二人の対談という形で会話は進み、観客の声も交えつつ、とても和やかな雰囲気のトークショーとなった。
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短編のひとつに『阿Q魚伝』というのがあり、この元のタイトルは『Q魚的下午』なのだが、邦題を付けたのは翻訳者グループであった。
私はその邦題を見たとき、あまり阿Qとの関連を強調しすぎじゃないかという気がして、少し躊躇した。
ただ、トークの中で三澤先生がおっしゃるには、東アジア文学には藤井省三教授のいう「阿Q」像の系譜というものがあるそうで、その定義がこの作品にもピタリと当てはまっている。
特に、阿Qの犠牲死が読者に深い反省をもたらすというくだりを聞き、この作品が単に人間社会を魚で例えているだけでなく、見た目でしか判断しない人間たちを批判した作品なのだということに改めて気付いた。
まさにこれは阿Q映画なのであった。
また、この作品はナレーションの声(語りは監督本人だったはず)がとても良くて、その声の雰囲気にとても合った字幕が付いているという話から、字幕翻訳についても話題が及んだ。
通常翻訳は個人でするものだが、今回はグループで翻訳したということで、その苦労話やグループで訳すことのメリットなど、文学研究者らしい話題となり、面白かった。

次の『俺たち中国人』の回では、会場に知り合いの顔もちらほら見られた。
終了後、その中の一人が非常に気に入ってくれた様子で、感動ぶりを熱く伝えてくれた。
彼は仕事で中国残留孤児にかかわっているのだが、この映画はその人たちに通じるものがあり、ぜひ彼らにも観せたいとのこと。
この映画祭のために仕事まで休んで来てくれたらしく、また来ると言ってくれた。
ありがたいことである。

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2009年12月17日 (木)

中国の記事

13日に行われたトークショーの模様が、「新浪娯楽」の記事で紹介されています。
若干正確さに欠く部分もありますが、きれいな画像とともにトークの様子を紹介してくれています。
感謝尚于博!

http://slide.ent.sina.com.cn/slide_4_168_2605.html

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